革命の予感

ソニー、久々の快挙！

私が、ソニーのミラーレス一眼「ＮＥＸ－５」のニュースをつかんだのは５／１６の「価格コム・マガジン」あたりらしい。二日後の５／１８、この日はヒマだったので、ふと有楽町のソニービルへ行ってその新型マシンの現物に触れてみる気になり、すっと電車に乗った。現物は思ったより小さく華奢に思えたが、取り扱いは常識どおりでまごつくことはなかった。（ソニー製品には慣れている。）この日は、よし買おう！　と強く思ったわけではない。ところが、それから五日後には、すっとヨドカメネットに予約してしまっていた。

価格コムの中は、発売前からかなりな盛り上がりで、さまざまなベテランたちが、ああでもないこうでもないと書き込みをしている。（総じて好意的な発言が多い。）

中でも「じじかめ」さんという、温厚なカメラ界の重鎮が、「やはりモード・ダイヤルだけは、画面上でなく、物として上面に付いてないとね」といち早く卓見を述べている。

マシンが来た！

ＮＥＸの発売日つまり配達日である６／０３は、あいにくとＫ先生のライブビュー講座の実習日にあたり、朝早くから電車に乗って０９３０には千葉市の稲毛駅にいた。しかも翌日から三浦ＭＧシニアになっていたので、途中で早退せざるを得なかった。マシンは配達されていた。このマシンの凄さは三点ある。

①ミラーをなくしたこと。ミラーレスは、なにもこのＮＥＸが初めてではない。
オリンパスと松下が先行している。オリンパスはスタイルを優先し、松下は性能を優先した。両方とも人気機種で、目下のところ松下のＧＦ１が、デジイチの売れ筋ランキング第一位である。

しかし、同統計の「注目ランキング」の方を見ると、なんとソニーのＮＥＸが一位二位三位を占める。と言うことは、あと二ヶ月もすると、売れ筋でもＮＥＸがトップを占めるのかもしれない。（6/15現在、第二位）

②ＡＰＳ－Ｃにこだわったこと。スタイルこそコンデジ並みだが、撮像素子をデジイチと同じにすることで、画質はデジイチ並みを狙った。

③本体サイズをコンデジ並みにして、先行機種オリンパスを下回ることを狙ったため、モードダイアルをやめ、フラッシュを付録にしてしまった。（たしかに小さくはなったが、、。）

要改善点

いよいよ現物が世上に流れ始めたので、皆さんの批評と反応も一段と賑やかになっている。①モードダイヤルを外したのは行き過ぎ。カメラというものの常識は残してほしかった。全てを液晶画面の「MENU」から始めるというのは、径路が長くなってとっさの間に合わない。もっと自然に気楽に楽しませてほしい。キャノンのＧ１０が左のモードダイアルを二段にして、下をＩＳＯ感度ダイアルにしたのは卓見であった。

ソニーが今回、ボタンを減らす努力をしたのはいい。しかし、減らしすぎて左に行き過ぎたのだ。行き過ぎずに、蓄積・慣行・先入観も大事にしてほしいものだ。

②また、サイズを「世界最小」にするために、フラッシュを付録扱いにしてしまったのは間違いだ。サイズ追求よりも、「良いカメラ」追求に走ってほしい。

超人気で、フィルター払底！

６／０３に入手して、即近くのヤマダ電機にフィルターを買いに行った。４９口径というのは少ない。たいていのものは５２ミリ以上である。とりあえず一個購入して取り付けたが、レンズは二個あるのでもう一個欲しいと思って二三日後再度行ってみると、４９口径だけがない。昨日、秋葉原にキャノンの「Ｓ９０」という小型高性能機を売りに行った。その帰りにヨドカメに寄ってみたが、やはりここも４９口径だけがなかった。いかにＮＥＸが見えないところで、とうとうと売れているかが分かる。

キャノンのミラーレスが欲しい

世の中、今や一眼レフの全盛期で、高級カメラと言えば一眼レフが常識になっているが、いまこの一眼レフが世の中からなくなる動きが始まった。昨年、オリとパナから４／３という規格でミラーレスが出たときには、私はイマイチ魅力を感じなかったが、今回ソニーからＡＰＳ－Ｃ規格でミラーレスが出たときには、いたって自然に、すっと買えた。なぜだろう？買ってみて、１２日間使ってみて、やはり不満は二つある。画質は良い。色合いも良い。ボケ具合もまあまあだ。いけないのは使いにくさ。特に、モードダイヤルが画面の中に入ってしまったのはどうしようもない。

キャノンは、ミラーレスを出すだろうか？　技術的には簡単だ。しかし、戦略的に難しい立場にある。現在の一眼レフで、ナンバーワン銘柄だからだ。この宝をむげに捨て去ることは出来ないだろう。

キャノンの意思決定は難しい。しかし、もたもたしているうちに、きっと後れをとる。

キャノンにミラーレスを作ってほしい。

①キャノンの色が好きだ。
②キャノンは「カメラ」を知っている。「Ｇ１１」の次に「Ｇ１２」ではなく、ミラーレスに来てほしい。名前は「ＭＬ１」？　その際、

・モードダイヤルを付ける。
・ファインダーを付ける。
・重さは３００ｇ？

しかし、キャノンは早くないだろう。来年の二月～三月、キャノン以外の各社は、どっとミラーレスを出す。なぜなら、売れるからだ。売れているからだ。今から、来春がとても楽しみである。

一眼の　天下揺るがす　起爆剤　　　　　　オソ松
（KK西研究所・所長 西 順一郎）