つい先日、仙台で仕事があって、新幹線に乗ったら、すぐ近くの座席で、二人 のサラリーマンが我々と同じく仙台に出張中のようです。

なにやら「生産計画」の文書らしい表計算を若いほう(35?)が拡げていました が、程なく自分のノートPCを拡げて、一生懸命打ち込み始めました。
そのノートは、A4で分厚く、いかにも重そうで、目を光らしてよくよく見たら、 F社のものでした。中身も、もちろん案の定、有名な「表計算」ソフトです。(FDD 内蔵だけは羨ましい。)

さて、二日間の仕事が終わって、東京への帰り道。またまたすぐ近くの座席で、 今度は別のサラリーマンが、やはりノートPCを拡げて、お仕事です。
例によって、目を光らせて、よくよく見たら、今度はやや小さいI社のものでした。 535か560でしたでしょうか、まぁ、行くときほど巨大なマシンじゃなかったの は一安心。

このように、今やOA時代。パソコンは珍しいものではなくなりました。

ところで、今回の仙台出張は、某販売会社の幹部MGでした。MG二日目の昼 は、決まって「私とコンピューター」の全員スピーチです。

これをやっていただくと、驚くほど、その会社およびその人のレベルが、瞬時 にして分かってしまうのです。最後のまとめ講義のネタ探しにもなります。
その会社の場合は、もちろん「科学経営、戦略経営、全員経営」から、はるか にはるかに隔たったものでした。

今の時代、パソコンを使わない企業マンは問題外です。使う人と、使わない人 の知的生産性を比べたら、それは大変なものでしょう。
しかし、パソコンを使ったからといって、それで良いのか? そうでないこと は、上記新幹線の二例を見れば分かります。

【科学経営の諸レベル】を考えるために、次のような八段階を考えてみました。

パソコンを使う。
サブノートを使う。(モバイル)
マイツールを使う。
ニフタームを使う。
MGをやり、経営の原理原則を知る。
STRACを活用する。
STRAC-2を活用する。
マトリックス会計を活用する。
●1番は、パソコンを使うか使わないかのところですから、異論はないでしょう。
要は、くるまの時代に、くるまを使うか使わないかの差です。スピードと、生 産性、効率に大きな違いが出ます。

●2番は、モバイルコンピューティング(anytime, anywhere, always)の問題。
これはたしかに一つの思想です。マイホーム主義でしたら、会社でのみ使う、 9~17時のみ使う、でデスクトップとなります。
インターネットやゲームなどの趣味で使う場合も、わが家の机の上ということ になるでしょう。
土日にNIFTYのアクセスが少ないのを見るたびに、まだまだモバイル人口 は少ないな、と残念に思っています。(>_<)

●3番、マイツール。これは残念ながら、運の良い人だけ、ということになりそ うです。
なにしろ、秋葉原へいっても、日本橋あるいは大須へいっても、「マイツール」 なんて、影も形もない。ただ、MGをやると、半ば強制的に、それこそ「マイツ ーラー」にされてしまう。
マイツールほど凄いソフトはなく、マイツールほど知名度の低いソフトもまた ありません。

●4番、ニフターム。通信。
この革命も凄かったですね。世の中も、スピードも、コストも変わりました。 やるのとやらないのとでは、雲泥の差、天地の隔たりです。
特に、ひところの「HISA4社」(浜勝、一宮精工、翔洋、アイマート)の ように、NIFTYの中の「PATIO」(電子会議室)をフルに使った経営は、 正に現代の小林茂、Y理論、全員経営、民主経営を展開したわけで、情報共有こ れに過ぐるものはありません。

●5番、MG(マネジメントゲーム)の実践。
結局、経営の何たるかを知らないで、[表計算]だけ使っても、それは単に、 コクヨの”縦横集計表”を使っているのと変わりません。
かつて佐々木隆が「MGは思想、PIPS道具なり」と言ったように、MGは すべての基本であり、マイツールは発想実現の道具です。これが分からない人が どこかのMUGあたりには多いんじゃないかな? (^^;;

●6番、戦略会計STRACそしてSTRAC-2
MGで勉強するP,V,Q,F,GのSTRACは、戦略会計の入門編です。
現実の会社は、MGと違って、複数の商品からなっています。あとはプロダクト ミックス、すなわち商品の組み合わせです。
この組み合わせを考えるときに、科学的には[売上高]の追求でなく、[MQ 粗利総額]の追求でなければなりません。平凡な企業は単に売上高の追求をして おり、ごくごく少数の科学的な企業だけが[MQ管理]をしているのです。

大多数の大企業が、大型システムを使ってはいるものの、その中身は、単なる [売上高の集計]です。そうではなくて、本当に小回りを利かせて、効率を追求 するには、真に優れた小型コンピューターで、かつ”未来”に向かって[MQ管 理]をシミュレートしなければなりません。

現実にそれをやっている代表的な企業は、秋田(有)中央市場の千葉均さんの ところや、北九州のスーパー(株)カーニバルの藤山祐輔さんのところなど、ご く限られた企業ではないでしょうか。
今年五月のスーパーシニア[STRAC-2コース]には、秋田の千葉均さん を招いて、真に優れたMG/STRAC/コンピューターの使い方/物の考え方 とはどういうことか、じっくりと伺おうと考えています。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)