十月六日
朝、何気なく日経朝刊をめくっていると、二つほど目を引く大きな広告があった。一つは三洋がいよいよビデオカメラとデジカメを一体化した320万画素の「ザクティー」を出すということ。SDカード1GBで一時間は録画可能とか。これまで長い間、ビデオカメラはフィルムで来た。一部ミニDVDの動きもあるのだが、ここは一挙に回転部をなくしてカード上に一時間も録画。これはすごい!
それもすごいが、二番目のほうがリアルであった。私は、二番目のほうをビリビリと引き破って保存した。キャノンのプリンター895PDの次が出たのだ。「900PD」。(PDはフォトダイレクトの略。PCを一切使わずにカードから写真が印刷できる。正価45,800円、実売32800程度。)
なぜこれに惹かれるかというと、昨年12月に買った今の「895PD」がとても良いからで、この一年間いつもニコニコしながら「ホームDPE」を楽しんできた。
ところが、この895にぜひ直してもらいたい大きな欠点・ミス設計が一つだけあった。それは、マット紙(光沢紙でない、光らない紙)でハガキ印刷ができない(ぴったり行かない)ということだ。これは明らかにキャノンの設計担当者のシステム思考の欠如で、要は、紙の種類と印画サイズとを分離せず、一緒くたにしていることから来ている。
つまり「光沢紙でハガキ印刷」という項目を作っているのに、「マット紙でハガキ印刷」が入っていないのだ。
一年間、いろいろ試してみると、この895はとてもいい機械だが、光沢紙印画が暗い。マット紙ならば明るく出来る。
以上の問題(!)が一年を経て今回九月一日発売のこの「900PD」では解決されていそうだと推測されたからである。
何度もいうが、895はいい機械だ。毎日楽しく使ってきた。月二回は印画した。それを一年で買い換えるのか? それはもちろん「ほとんど」いい機械を、「完全に」いい機械にしてしまいたいからである。みすみす問題が解決されたマシンがあるというのに、それを横目に、またこれからさらに一年我慢して続けていくのか?
十月七日
仕事で外出したついでに、まず近くのLAOXに寄ってみると、なんとカタログだけでなく、900PDの現物も入荷している。ただし展示はされていなかった。だから細かい点はいまいち確認できなかったが、むさぼるようにカタログをチェックして、どうやら前機種の大欠点は除去されたようだとの感触を得た。あとは、買えばいいだけの話だ。
外出の帰りにLAOXに寄って、「これ下さい!」「少し重いですよ」「いいです」と即買って帰った。いや、思ったより重い!
あとで我が家で比較してみると、895のほうが、奥行きが数センチ短い。やはり重く、でかくなったのだ。
私が、895をいかによく使っているかは家内はよく分かっているので、今回の買い替えについても、なにも別段異論はない。彼女は、今まで以上に美しい写真が手に入ればいいのだ。
改善点
① 液晶ファインダーがなんと作りつけになった。(今までは、いちいち取り付けるのが面倒だった。)
② スピードがやや速くなった。
③ 明るく発色がよくなった。(特にマット紙)
④ 問題の「マット紙でハガキ」も、問題なく可能になった! (これで欠陥はクリアされた。)
⑤ トリミングが付いた。
欲を言えば
① 操作が分かりにくく、やりにくい。
私は、昔から思うのだが、マイツールの良く出来た点(長所)の一つは、「左手でESC、右手でドン」この原則で作られていることだと思う。
ところが、デジカメにしろ、今回のプリンターにしろ、その辺が分かっていない。へたに「決定」があったり、ここは「印刷」を光らせておいて「ドン」すれば実行するような設計にはなっていない。
だから900でもっとも基本的な「印刷形式の選択」「用紙の選択」などにしても、いまいち分かりにくいのだ。マニュアル(取説)も最悪だ。
② 895では出来た「何番から後ろを全部印刷ドン」や、同じく「部分目次印刷ドン」が出来なくなった。
代わりに、一枚一枚に必要枚数を記入しておいて、印刷ドンというやり方である。なるほどこれでも出来るが、きめの細かさが足りないようだ。
③ 光沢紙での印画はやや明るくなったとはいえ、在来の銀塩フィルムにはとてもとても、、。したがって当分我が家は、マット紙専門で行くことになりそうだ。
プリンター歴
ちなみに、この「マイコラム」シリーズで、過去のプリンター歴をひっくり返してみると、
1999年末・・・・松下の昇華型MP70
2000年末・・・・キャノンのF870(本当はPDが欲しかったが、年末には間に合わなかった。)
2001年末・・・・F870継続。
2002年末・・・・895PDに満足。
2003年末・・・・900PDで問題点解消、ますますホームDPEへ!
これらで焼いたL判の写真や、ハガキを皆さんにプレゼントすると、とても喜んで下さる。いい孫の写真も増えてきている。
(KK西研究所・所長 西 順一郎)