大人のくに

1992年以来、二度目の英国に来ている。

初回のときは、秋田の千葉均さん家族ほかと一緒で、十数人のツアーだった。 今回は、名古屋の加藤清春さん家族ほか、川上おぼっちゃま、村田哲郎さんたち と一緒で、総員20名を超す大部隊である。

足かけ10日間のうち、昨日で前半戦が終わり、明日から後半戦が始まる。日 本では、6/25の総選挙にむけて、騒々しい毎日だろう。英国には、梅雨もな く、新聞・テレビとも無縁の生活なので、毎日静かなものである。ただし、パソ コン通信だけは毎日つないでいる。この方は、出発前に、名古屋の若山さんの協 力のおかげで、設定、電話接続、電源接続、すべて問題ない。

八年ぶりの英国の印象は、さすがに新鮮。
大人のくに。
富裕のくに。
元気のくに。
羊 のくに。
歴史のくに。
自然のくに。
などの印象を受ける。

交通網

まず、「大人のくに」についてだが、やはり一番感心しているのは、交通につ いてである。

今回は、初日6/16に英国に着くと、その日は空港近くのホテルに一泊して、 翌日、ロンドンから、M40というモーターウエイ(フリーウエイ)を一路西北 へ。イギリス中部西岸の北ウェールズをめざした。バスで数時間の長丁場。英国 に着くとすぐ、4.5ポンド(770円)でミシュランのドライブマップを買っ たので、とても便利である。

一昨日6/19は、再び同じ道を、今度はM6、M1という高速道路で、ベッ ドフォードというロンドンのすぐ北の町まで帰ってきた。
山本先生に教えられてよく見ると、なるほど、野だて看板が一つもない。その ため、全国どこへ行っても、風景が、富良野、美瑛のようで、ところどころに羊 がおり、馬や牛が牧場に遊んでいて、とてもすっきりしている。
日本人は、野だて看板を捨てられるだろうか?
一方で、交通標識は日本よりさらに徹底していて、山本先生の体験談でも分か りやすいということである。

合理性

いちばん驚いたのは、高速道路のICになんと一連番号が振られていて、それ がマップにも載っているので、一昨日の場合だと、M1の13番出口とさえ知っ ておけば、あとどれだけ走れば到着するかも分かるし、実に精神状態が良い。ハ ラハラどきどき、イライラがない。

実は、学生時代、東京の井の頭線を使っていて、下手な駅名よりも、全部一環 番号にしてしまえば良い、と考えたことがあったので、あれから40年、英国に 来て、その実例を高速道路で見て、とても嬉しかった。出口を一環番号にするの でなく、出口に番号を振って、出口標識の左下にそれを明示したに過ぎないのだ が、、。

ICに番号を振ったり、駅名に番号を振るくらいは、金も掛からないし、即ま ねして貰いたいが、あのように全国的に野だて看板を規制(ゼロ)したり、こう したしっかりした交通システムを作ったりするのは、英国の官僚・政治家の質の 高さを見せられた気がして、日本もいつになったらこういう大人になれるのだろ うかと、深く考えさせられた。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)