入院
昭和４３年（１９６８）ごろ、当時私はまだ３０歳ぐらいで、ソニーの井深さんと盛田さんのマスコミ担当秘書をしていた。七月末、井深社長ご夫妻のお供で 初めての青森・札幌出張を目前にして体調を崩し、急拠、上司の村山広報室長に 電話を入れて、代走をお願いした。
その若さで、初めて痔になってしまったのだ。びっくりしたが、当時まだ元気 だった田舎の母が、「切らないほうが良いよ。体に、なるべく刃物は入れないほ うがいい。」というので、気が小さい私は、これ幸いとばかり切らないで、だま しだまし、この年まで来た。
ところが、二月に長崎出張していたとき、インフルエンザか何かで、急に激し い下痢に見舞われ、それが引き金になって、二月末には、もう独力ではどうにも ならなくなってしまった。
結果的に、友人の紹介で秋葉原の専門個人病院に入院することになり、３／２ ８に入院、午後手術を受けた。
なかなか良い病院だった。まず立地が、私の住む大井町からＪＲ京浜東北線一 本で行けるし、親子三代このみち専門で来ているし、三代目は五年前にご両親か ら院長を引き継いだ若手である。技術もレーザーメスなど、新しい。(ちなみに、 ホームページも開いている。)
秋葉原なら、歩けるようになったら、毎日コンピューター館や家電屋さんなど をほっつき歩くこともできる。
なによりも、専門医なら安心だ。その上、「パソコンも携帯電話も、自由です よ」と看護婦から、事前に説明があったのが嬉しかった。この二つが自由なら、 入院中も、仕事が出来る！
しかし、１０人ぐらいの大部屋だろうと想像して、「ながら族」の私は、ラジ オとイヤホンを用意して、入院した。
ところが、当日、二階に案内されて驚いた。なんと、全員個室、テレビ付きだ ったのである。なにも、心配することはなかった。しかも部屋は南向きで、目の 前は公園だ。全部で五室しかない。いやぁ、個人病院はいいなあ。
コンピューター館
手術は、１５３０から始まり、１７００ごろ、車いすで個室へ移された。手術そのものは、思ったより苦しくなかった。もっとも、普通は一時間で済むところ、 私のは一時間半で、やや長い手術だったらしい。病室で、妻の笑顔にほっとする。
最近は、医学の進歩で、手術そのものは順調だったわけだが、あとが意外と大 変だった。最初は、水曜日手術、一週間後の水曜日退院ぐらいかと軽く読んでい たのだが、実際は１１日いて、４／０７の土曜日退院となった。仕事の都合で、 ぎりぎりの退院だった。
１１日間、散歩をかねて、時おり秋葉原の勝手知った町を少しずつ歩いた。私 には、ＬＡＯＸのコンピューター館が肌にあう。二階の小物売り場で、ノート型 のカバーとか、机上ノートＰＣラックとか、金の掛からない安いものばかり二三 買った。
ＢＯＳＥ
以後も、一日おきに通院となり、「ついで族」の私は、必ずコンピューター館に寄って、見て回る。
昨日も、二階の小物売り場を回っていたら、なんと、ＢＯＳＥ（ボーズ）の極 小スピーカーがＭＰ３に繋がれて良い音を出している！
思わず音量を上げてみると、この小ささで、結構な低音を出してくる。
隣の展示場で同社の似たようなメディアメートが二個３９０００円を３０８０ ０円と書いてある。三万円は高いかな、と思ったが、考えてみると、ＢＯＳＥの 例の通販のＣＤラジオは、約七万円もするし、三万なら、その半額だ。
店員に、カタログを要求すると、そのもののカタログは無くて、代わりにＭＭ －２というカタログがあった。
見ると、一番末尾に、ＢＯＳＥ社のＵＲＬがある。よしよし、これさえあれば、 あとはインターネット接続で、目指すカタログも手に入るだろう。
インターネット
帰宅してから、さっそくＢＯＳＥ社に繋いでみた。すると、先ほど店で音を出していたものと同じ写真があり、名前はＭＭ－１といって、値段は２５０００円 とあった。ＬＡＯＸ値段だと、１９８００ぐらいか？
これは手ごろだ。コンパクトだし、安いし、音は自然で、低音もかなり出る。
さっそく繋いだままで印刷ドンすると、ＭＭ－１のカタログが即、入手出来た。
こういう点、インターネットはなるほど便利だ。あとは、これを近くのＬＡＯＸ へ持っていって発注すればいい。 私のパソコン歴は１９７９年以来だから、日本でも長いほうだ。パソコン通信 歴は１９９５年以来の６年。パソ通は文字ばかりだが、電子会議室に使えるので、 経営が変わる。
ただし、インターネットは、私は苦手。特に「検索」はあまりしたことがない。
先月、野口悠紀雄の原稿を書くときに、正確を期すために、彼のＵＲＬにアクセ スしたのがほとんど初めてのインターネット検索だったが、今回のＢＯＳＥ社へ のアクセスで、どうやら私も、苦手なインターネットへのアレルギーが取れ始め たようだ。まだまだアマゾンで本を買う、などはしたことはないが、、。
（KK西研究所・所長 西 順一郎）
