朝の新聞に

今朝9/14の日経に三段抜きで「キムラヤ、再生法申請 負債総額は300億円」と詳しく出ている。「ディスカウントストア経営のキムラヤは13日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で保全命令を受けた。負債総額は約300億円。東京都内などにある14店の営業は継続する。(=日経、以下略)」

読売には、ほんの数行、豆粒のように出ている。「キムラヤ、民事再生法申請 民間信用調査機関の帝国データバンクは13日、ディスカウントストアなどを経営するキムラヤ(東京都台東区)が東京地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。負債総額は約300億円と見られる。」

今日は朝から新橋の虎ノ門病院にいくことに決めていた。何しろ初めて行くので、道々何回も聞きながらたずねて行ったが、行ってみると、なんとあのよく知っているJTビルの隣に過ぎなかった。それだったら、聞く必要はまったくなかった。

この虎ノ門病院は、昭和33年につくられた全国有数の大病院である。

930に受付に行って待たされ、1000に外科に行って1時間ほど待たされ、それからX線に行って少し待たされ、最後に会計に行ってえらく待たされるのだろうと覚悟していたら、なんと会計の窓口がない。あるのは、銀行と同じあるいは駅の切符売り場みたいな会計機が5台ほど。

列もほとんどなく、一人5分とかからない。診察カードを入れると画面に金額が出て、お金を入れるとチンジャラとお釣りと領収書が出てくる。これはヒットだ。本日一番のニュースは、病院の会計が自動化されて、待たされなかったことだ。

キムラヤへ

1145だったので、YOさんと飯でも食おうかと思ったが、あいにく住所録に彼の新橋オフィスが載っていない。やむを得ず、第二目的のキムラヤへ向かう。この新橋・キムラヤは、1980年の11月2日ごろ、九州出張を前に、あのシャープのポケコンPC-1211を買った店だ。その後も、わりかし好きな店で、安さだけなら秋葉原に行った方が安いのだが、その代わり見て回るのに時間がかかる。キムラヤなら手っ取り早い。最近だと、例の電子辞書T6700や翻訳ソフトATLASを買ったのもこの店だ。

キムラヤは、昔は新橋駅にくっついて一軒あっただけだが、その後少しずつ増えて、新橋界隈だけでも数店ある。特に、駅の真向かいにでっかい本店が出来た。私はこの店にはまだ数回しか足を運んだことはない。

烏森口店のほうが馴染み度が高い。虎ノ門病院から何しろまっすぐに(マイタイさんみたいにGPSなんか見ないで)一直線に歩いたら、なんとこの烏森口へ到着した。なるほど、そういう地理関係だったか、、。

さてキムラヤは日経によれば14店あると言うが、昔馴染みの烏森店に入って4FのPC部門に登ってみると、気のせいかいつもより少しお客が少ない。IBMのX40も一台展示されていたが、なんとなくあちこち展示台の上が歯抜け状態だ。

どこかの夫婦者がPCを買おうと店員とやり取りしているのが耳に入った。店員が「このマシンは在庫限りで、この後の仕入れは、今事情があって、いつになるか分かりません」みたいな事を言っている。

この会社が倒産したことは、今朝の新聞なのだから、知らない人が多いだろう。「都内などにある14店の営業は継続する」とあるとおりで、このように確かに営業は継続されているわけだが、発表後初めて耳にするこの社員たちの、なんとなく奥歯に物が挟まったような口ぶり。今後、どういう風になるのだろうか。

図に乗りすぎた?

 要は、ここもよくあるケースで、「図に乗りすぎた」経営であり結果なのだろうか。最高は2001年1月期の560億、最近2004年1月期のPQは395億だという。(PQベースで三割ダウン、MQベースだと??)競争激化によるP↓Q↓というが、なんといっても引き締めムードが足りなかったのではないだろうか? 行け行けドンドンの成長経営。ここ3年のPQ↓ムード。BEP経営・全社員の経営マインド教育の欠如があったはずだ。

無理をしないことと、大きくも小さくもなれるフレキシブル経営の基本姿勢が必要だ。

今回福井MGでお会いした経営者は、マトリックス会計と戦略会計STRACの区別がついていなかった。マトリックス会計は全体観に立つ安全経営、STRACは現場第一線の攻撃のための意思決定会計、このいずれもが必要だ。

特にSTRACのためには、マイツールが不可欠である。効率の良い順にソートし、組み合わせを変える。その作業が、軽くすばやく簡単に行かないと経営意思決定には役に立たない。表計算ソフトで、表ばかり沢山作ってみても、全体的な攻撃の態勢は作れないと思う。

このところずっと、帝国海軍の意思決定者たちの生涯を読んでいて、勝つためにはどういう風にあらねばならないか、考えさせられる今日この頃である。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)