ウェブログの本から


それは偶然から始まった。3/21、近くの有隣堂のビジネス書コーナーに行ってみると、たくさんのベストセラー群の隣に、あまり品がいいとはいえない一冊の本が、なんとなく強く私の気を惹いた。佐々木祐二著『ブログの達人がこっそり教えるお金のもうけ方』中経出版。

御多分にもれず、わが社のHPへのアクセスの少なさに悩みがあったからだ。

一読、これは何かある、とうずくものがあって、翌日エクスメディア社の『超図解・・』を買ってきて研究、3/24「ココログ」の無料版をなんとか開設した。普通だったら、いつものKさんに頼ってやるところだが、この日は彼の来訪日ではなかったので、独力でチャレンジした。

何しろ「ブログ」と言っても何十社、何十種とあるわけで、どれを選べばいいのか、よく分からない。ここで初めて、最近話題のライブドア社が実は「ブログ」でもリーディング・カンパニーの一つなのだとはじめて知った。

私が買ってきた『超図解』では「はてな」を一押しにしているようだし、中経出版書では、ライブドアを薦めているようである。しかし私は、1995年以来、ずっとニフティー会員だし、Patio、ニフタームのファンでもある。

パソ通がなくなる!

ニフティーは年頭早々、長年続いた「パソコン通信サービス」を来年三月で打ち切ると表明した。

文字ベースのパソ通は、やさしく、取り扱いやすく、効率がいい。patioだけでなく、メールも、こういう文章書きも、私はわざわざ秀丸などを使わずに、ニフタームの内蔵エディターのみで原稿を書いてきた。自動整形があるので、とても使いやすい。

ワープロソフトは、フォントなどは自由自在だが、重いし、送受信にも時間がかかる。メモリーを食うので好きになれない。表計算ソフトも、マイツールがあれば、まず不要だ。

ということで、マイツールとニフタームさえあれば、ビジネス・仕事・金儲けはほとんどすべて間に合ってきた。

HPに落ちこぼれる

しかし、ホームページはどうなのか?

数年前、中島マヒマヒさんのCPLで、HPの作り方の講義を一日、四人で受けた。そのうち二人はその後スイスイになったが、あとの二人(私と誰か)は落ちこぼれて、結局今ではプロにおんぶに抱っこのていたらくである。ドリームウィーバーどころか、IBMの「HPビルダー」でさえ、結局好きになれなかった。

数年前、HPビルダーが出てきたとき、三浦かなみさんや金子さんなどは自在にこなした。しかし、私は「セミナー日程」の更新を毎月一回やるだけがやっとだった。いまやそれも完全にC社頼みだから情けない。

ブログ登場

そこに出てきたのが、今回の「ブログ」である。何しろ、調べてみると、この技術は新しい。この3/31ニフティー本社に行ってもらった資料によると、なんと「2004年が日本のブログ元年」と書いてある。「アメリカでは、2001年あたりから台頭」というのだ。

インターネットができ、HTMLやXMLができ、HPビルダーさえもできたが、歴史はやはりそこでは止まらなかった。アメリカ人の中には、もっと標準化、もっと簡単化、みたいな努力と進歩があって、そこから、「タイプパッド」(シックス・アパート社)と称するものが大評判になった。

日本でも、アメリカのソフトのそうした動きを見ていて「ともかくブログ!」の動きが始まった。初期のころは、難しいソフトを、ハイテクな人たちが乗りこなしていたが、ブログ業界に参入してくる業者は何十社と増え、ニフティー社でも生き残りをかけて、これに取り組み始めた。

パソ通の時には、コンピュサーブ社と提携して技術導入したが、今回のブログでは、やはりアメリカのシックス・アパート社のタイプパッドを導入することにし、それを日本化して、「ココログ」とネーミングして、サービスを始めた。

ブログもまだ数年の歴史であり、日本ではまだ1~2年の歴史であるから、日進月歩の世界である。まだまだ変わる。しかし、今からやっておかないと、落ちこぼれのままになるだけだ。

なぜブログなのか?

自分で開設してみれば分かるが、これならやさしい。何しろ、先ほども書いたように、HPビルダー落ちこぼれ組の私でも、なんとかできた。

今回の「ブログ」技術の優れている点はいくつかあるが、
(1)作り直し自由。「すぐやる、後で直す」が前提になっている。
(2)デザインはテンプレートから選択。(ハイテクになれば、改造可)
(3)データと形式は分離。(ちょうど、データとプログラムを分離し、データを王様・プログラムを従卒にしたマイツールと同じ。)

原稿もタイトルも、何度でも書き換え自由は嬉しい。ブログ技術はツールであるから、用途は無限だろう。とりあえず「日記」から入る人が多いらしい。私も早速、一発目は「MG日記」という看板にして、始めてみた。

本当はいろんな人に読んでもらいたいのだが、そして願わくば、MG参加者のQアップ、MG・MT・STRAC・マトリックスユーザーの普及に役立てたいのだが、まぁ、あせっても仕方がない。

それよりも、この新技術、一昔前のHP技術が難しくて、一般凡人を近づけなかったのに比べれば、今回の「新しい波」は、マイツールのように、ニフタームのように、どんな人でもHPが持てる、発信ができる、一億総発信という雰囲気を持っている。それだけの技術と易しさとフレキシビリティーがある。

で、MG界・西圏の皆がブログ発信を始めれば、相互乗り入れや相互刺激、相乗効果、シナジー効果で、独力では考えられない膨大な効果をもたらすだろう。HPだけでは駄目だ。

HPは残る。Nif-Xによる「サークル」(PATIOの後継)活動も残る。しかし今やブログを、ココログを始めるときがきたと思われる。

ちなみに、私のココログは、http://mmgg.cocolog-nifty.com/ である。

成功へ向けて

私にも、ブログの全体像は分かっていない。ブログも、マイツールやMGと同様に、非常に奥が深い世界だと思われる。そして楽しく、効果の出る世界だろう。日記も簡単にできる。つながりも、RESも簡単、平易である。写真も、今度こそは簡単に、私でもいけそうな予感だ。

嬉しいのは、無料ブログもたくさんあるということだ。ブログ全体へのサーチ・ドンやアクセス解析ドンが、さらにどんな広がり、つながりを見せていくのか、これはもうやってみるしかないと思うのだが、、。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)