初めてのコナ
今年の連休は、ほとんど初めて、ハワイ島(ザ・ビッグアイランド)にしてみた。「ほとんど」というのは、実は初めてのアメリカ旅行(1979)のときに、三日間滞在の中日が日曜日で自由行動だったので、自分ひとりだけ、「空のハワイ8島めぐり」に参加した際、このハワイ島コナにも着陸し、有名なキラウェア火山にも行ったことがあったからである。
今回の飛行機は、JALのハワイ島コナ直行便だった。宿もカイルア・コナと言って、西海岸コナ地方のど真ん中、カイルア湾のその昔一番店であった「コナビーチホテル」にとった。
普通だったら、ほとんどの場合、空港から少し北の「ワイコロア」近辺の豪華リゾートホテルに滞在する人が多いと思う。しかし私は、前もってさる本を読んでいたのと、ハワイ島に詳しい人の話を聞いたりしていたので、あえてこの老舗ホテルを指名したわけだ。(結果は、かなりのハズレだったが、、。)
そういうことで、今回はコナを中心にレンタカーで回ることにして、有名な火山地帯や東海岸の首都ヒロは省略した。ヒロまでは南回りでも北回りでも120 マイル(190キロ)ぐらいあり、日帰りは無理な距離にある。
それにしても、30年前のコナの記憶は全くなし。
初日(5/03) 「コーヒー街道」
今回の旅行は「ハワイ島ステイ六日間」というのだが、初日と最終日の両日は移動で取られる。しかも最終日は、5/06の日曜日に午前1115の飛行機に乗って、途中ホノルルに一旦着陸、あらためて1355発だが、途中日付変更線があるので、月曜日の5/07夕刻1710ごろ成田着となり、ホテルは四泊。実質三日間であった。
したがって、二日目の5/03が実質上の「初日」のようなものだ。この日は、まず足慣らしで、カイルアコナのすぐ近くにご存知「コーヒー街道」があるので、それを回りながら、海岸の遺跡も訪ねようということでゆっくりスタートした。
港からマウナロアの緩やかな上りを山腹の180号線に向かって登る。この辺に例のドトールの「マウカメドウズ」(広大なコーヒー園)があるらしい。その近くにUCC上島珈琲のコーヒー園もあるとか、、。で楽しみに行ってみると、両方ともなぜか店は開いていない。昼前なのに開いていないのだから、今日は休業日なんだろうか?
しょっぱなから悪い。『地球の歩き方』を見て、ほかのたくさんあるはずの店にも行ってみるのだが、やはり冴えない。こうなったら、同地方の一番店を目指すしかないだろう。ロイヤルコナ・コーヒー会社。ここはさすがだった。観光バスも続々と来ているし、MGのような赤青黄緑橙の5~6色の幟が道路わきに立っているので、駐車するにもまごつかなくてすむ。
海抜400m。海まで絶好の展望。試飲はいくらでも無料。テーブル完備。ここで持ってきたパンや、売店で買ったケーキで安い昼食。
ゆっくりしたあと、海岸の遺跡めぐりに降りたいと思ったが、どこまで行っても降り道が分からない。どんどん来るうちに、だんだん不安感が増してきてついに道端にストップ。見ると目の前に「ここはヒロから97マイル」を示すマイル・ポスト(里程標)が立っている。
そうだ、と昨日買ったばかりのハワイ島のマップが車のトランクに入っているのを思い出し、引っ張り出して照合してみると、正しい地点(104マイル)から7マイルも南へ来すぎている。こりゃあかんと即とって返したが、もはやこれから山を降りて、また分かりづらい遺跡めぐりでもあるまい、と本日はこの11号ハイウェイをまっすぐホテルまで引き揚げることにした。
昨日のこの地図は、方々にマイルポストの数字が記載してあるので、帰り道はまことに安心で快適だった。自分の現在位置が常に分かるのは、まるでナビを付けているのと同じだ。
二日目(5/04) 「サウス・コハラ」
二日目は、メイン道路19号線を北へひたすら走るいわゆる「リゾート地めぐり」だ。カイルアコナから十数分でコナ国際空港があり、その先に四箇所ほどの豪華リゾートホテルエリアが続いている。とりあえず一つだけ代表的なワイコロアを見ることにする。まずは同地のキングズ・ショッピングセンター。30も店舗が入っているし、DFS(Duty Free Shoppers)もここだけにあるというので期待して行ってみたが、彼女は特に興味がなかったらしい。
ついでヒルトンを見ようと思って行ってみたが、駐車場の適当なのがなくて、結局何もせずに帰る羽目になった。ビジターには不便。
気分を変えて、この先の東急系、西武系両方ともスキップして、最終地点の「カワイハエ」部落に着く。ここには有名な遺跡もあるようだし、普通だったらここで東に曲がれば、広大なパーカー牧場に囲まれたワイメアというアメリカ西部カウボーイ型の観光地があるのだが、そういうウェスタンには妻は興味がないだろうと思ったので、そちらは省略した。
で、私の興味を中心に、左折して国立遺跡公園のほうへ車を回した。立派なビジターセンターがあり、トイレも完備。(ここが大事。海外ではトイレ探しが一大難事だ。)
南はカワイハエ湾だが、南面の丘の中腹に巨大な砦みたいな石垣の神殿・聖域が築かれている。その昔、カメハメハ一世が、「ここに神殿を築けばハワイ全島を制圧できる」と神の託宣を受けて大変な勢いで構築した。日本では大きな古墳を考えれば近いだろう。
完成したとき、ここにハワイ島南部のもう一人の実力者を招待して、話し合いを持ち、仲間(部下)とした。あとは、ハワイ8島に出て行って、諸島を制圧統合したわけだ。
神域には立入禁止のため近寄れなかったが、見学路を歩いてから、もとへ戻ると、海辺がビーチパークになっている。
カイルアコナのホテルのプライベートみたいな海岸が狭くて小さいのに比べると、ここの海岸は広々として、かなりな家族が泳ぎに来たり、中にはキャンプに来ている人もいる。ここなら泳いでもいいなと思ったが、写真を撮るのにとどめた。
さて、あとでホテルに帰ってから、楽譜を見て驚いた。この1~2ヶ月、ハワイアンの練習でいたく気を引かれている曲「カウラナ カワイハエ」(有名なカワイハエ)が、実はここをうたった歌だったのだ。現地ではうかつにも気が付かなかった。
「♪ささやくような海で名高いカワイハエ。カワイハエ湾に沈んでいるプアカイリマという島については昔から語り継がれている。
♪雄大にそそり立つマウナケアを見てご覧、プアカイリマについては昔から語り継がれている。」(山下好哉氏訳)
そういえば、現地で海を見たとき、地上の二つの神域のほかに、近くの海中に、もう一つ真四角な第三の神域らしいのが、なんと海水面より下に築かれてあってびっくりした。一瞬、これは何? と思ったのだが、なるほどそれをうたった歌だったのか、、
三日目(5/05) 「海通り」
とここまで書いたところで、十分な長さになったので、三日目の「海通りを行く、クック船長遭難の地から、遺跡公園、再度のコーヒー園へ」は省略としよう。ありがとうございました。
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(KK西研究所・所長 西 順一郎)
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