いよいよ当日

 4/11(水)に初めて渋谷の地図センターに行ったのがキッカケで、たまたま偶然、そこの玄関でなんと「地図力検定試験」というものがあるんだ、しかも目の前の6/10に、都内で行われるんだということを知って、即「受けよう!」と決心した。

たまたまラッキーにも、当日は都内で六月の東京MG二日目である。時間もこちらからお願いしたかのように1400~1500の一時間。あとは場所が問題で、MGの最中に脱けるのだから、往復が近くないと困る。

この場所の問題は、ごく直前まで分からなかったが、約一週間前に「田端駅前の動物学校教室」ということが分かり、一安心。ここなら、大井町から電車一本、片道20分の距離である。

で、前々日まで、過去六回の問題や、関連参考書などを取り寄せては勉強したが、昔から(高校三年のときに偶然人文地理を取ってから)地理が好き、地図が好きとは言いながら、かといって、「地図オタク」というほどでもないので、受験ともなれば、「地図好き」から「地図オタク」まで昇華しなければならない。たとえば、いろんな図法の名前や形、地図つくりのの歴史、法制、地形図の周りの「整飾」の細かい内容まで、およそ考えたことのないところまで試験に出る。

だから五月は、高尾山に行くにも25000を持っていき、近所の散歩にも10000の「品川」を持って歩いては、要所要所で照合を行うというような「勉強」をした。

そもそもは、地図・地理好きなのだから、自分の「好きこそものの、、」のレベルが判かればいいと軽い気持ちで始めたのだが、いざ過去に受かった成績優秀者のレポートなどを読むと、刺激される。

試験は一時間、50問。四択問題で、現場で判ったのだがマークシートの塗りつぶしである。となると、鉛筆と消しゴムが必要だ。(ちなみに私は普段、赤黒のボールペンのみ。) 嬉しいのは、ルーペOKと書いてある。(ルーペがないと、地形図とか汽車の時刻表とかはよく判りませんよ。)

会場の雰囲気

当日は、鉛筆削りまで用意して、予定どおり1230に大井町のMG会場を出た。1305田端駅着。あとはグーグルマップで調べたとおり、北口から東へ、南へ。

会場は1330から入場OKと書いてあるのだが、実際には1315には「どうぞどうぞ」と席に着くことが出来た。「013036」が私の番号。受験者は東京会場が108人と書き出してあったが、けっこう欠席も目立ったので、実際は80人ぐらいか。それでも前回の東京会場66人、全国176からすると、上向きにはなっている。驚いたのは、直前5分前あたりに来場の人もいる。信じられない。

順調

「はい、始めてください」で、粛々と始まった。一時間で50問解けるだろうか? 時間不足にはならないか? 不安はあるが、ぼちぼちゆっくりと入念に始める。時折時計を見るが、まあまあのペースのようだ。どうも問題がいつもより易しい。だんだん後ろのほうで難しいのが出てくるぞ、と警戒しながらしかし落ち着いて解き進む。あせっても始まらない。

 

やはり勉強しただけあって、あの時読んだ、あのことだ、みたいな問題があちこちに、、。

突如、信じられない嬉しい問題。なんと、 「問29.次の図は、地形図から黒島を抜き出し、一センチ方眼をかけたものである。この島の面積はおよそいくらか。次の四つの中からもっとも適当なものを選べ。」

黒島と言っても、全国に、南西諸島、薩南にもあれば、瀬戸内海、伊豆七島にもあるかも知れない。

よく見ると、西のほうに離れ小島がドッキングしているではないか! これこそは、私が幼少の頃から、しょっちゅう南の海上に山から海から見て育った、あの長崎県平戸南の懐かしいあの黒島ではないか!

さらによく見ると、周りの岬にすべて「○○の鼻」と書き込みがある。「、、鼻」というのは、わが平戸方面では突端のことで、「岬」とは言わない。「○○崎」はある。志々伎崎、魚釣崎、向後崎、西戸崎など。

ちなみに、この中型の島は、けっこう大きい。佐世保の九十九島近辺の島では、最大の島である。もともと隠れキリシタンの島で、本当は「クルスの島」なまって「黒島」、今でも85%まではカトリックと言われ、本村から一キロあまりの南岸に天主堂があるらしい。私は行ったことがない。ただ遠望するだけの憧れの島だ。

問題は、50000とも25000とも書いてないところで、そこが引っ掛けになっているわけだ。幸い、私は正解が出せたが、かなりよく見ないと、この問題の正答率は低いかも、、。

先で難しい問題が、先で先で、、とびくびくしながら進んだが、後半はあっけないほど難問はなし。結局45分で全部解いて、あまった15分で見直し。2問ほど修正して時間。

帰りの電車

問題持ち帰りのほか、出口で正解集をくれるので、帰りの電車内で、採点をする。9問まちがい、41問出来で、82点、一級!

この試験は、その存在を知ったときから、勘で「70点台、二級」が予想だったので(6割三級、7割二級、8割一級、96点で地図力博士授与)初めての受験でこの成績は喜んでいいのか、悲しむことはないが。

田端から20分、大井町で降りるときに気がついたら、対面の付近に、若い娘さん二人が先ほどの試験用紙を持ってしゃべっている。あの子たちも受けたのか。そういえば、会場内には、中学生クラスのうんと若いのもいたな。前回の最年長は79歳だとか。

次回は、10/21(日)。がんばるぞ。まぁ、今回は易しかったからな。次回はそうは行くまい。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)