秋田シニア

 このコラムで二ヶ月前の話というのは珍しいのだが、、。先々月の10月14-16日(木金土)、横手市の「相野々」(あいのの)という山の中で、東北シニアが行なわれた。参加者は地元八人、東京からのゲスト三人の計11人。シニアだから、当然初日の夜はポケコンと相場が決まっているわけだが、今回変わっていたのは、二日目午後のマイツール基礎コースの時間だった。普通であれば、ほとんどマイツールなんて知らない人たちに対して、「Fドン」から始める「MT手ほどき体験教室」なわけであるが、地元の七人が全部(有)中央市場の社員で、入社以来、強烈なMG/MT訓練を受け、そのまま毎日の業務(MQアップ)にマイツールを使っている連中だ。この人たちに、いまさらマイツールの入門コースでもあるまい。

なんとMT/MXを?

スポンサーの千葉均専務が、「いっそ、MT/MX教室にしてみましょうか?」
「ええっ?」
たしかに、MT/MXは、三ヶ月前の六月末博多スーパーシニアで、何年かぶりにやったばかりだ。そのときの対象は、MG100期、200期という相当なベテランクラスばかりだった。それを、普通のスーパーマーケットの部門長や店長代理に数時間でやらせるの?
(博多のときは、MT練達者は3~4時間で出来た人もいた。)ともかく、千葉さんが「やろう」と言うのだから、なんとか勝算はあるのだろう。それではというので、西研の「月次MX決算システム」から最低限作成必要なページを紙に打ち出したら12枚ほどになった。(うち、オートは三枚)

このうちオートは、綿密にBASIC的なプログラムをひたすら打ち込んでいけばよいのだが、MX会計表などは、あちこち縦横の罫線が入ったものを、一行も間違わずに作り上げていかねばならない。勘定コード変換辞書も大変だ。

また現行のものは、何年か前に福田正道さんから習ったV型ファイルなどを使って、高速化するようになっていて、昔のバカチョン型よりハイグレードだ。
(但し、UPDは使っているがUPMまでは使っていない。)

千葉さんは涼しい顔で

千葉さんは、急ごしらえの間に合わせテキストを人数分さっさとコピーしてきた。十人で入力開始。オート・プログラムだけでなく、システム全体を作り上げるのだから大変。一時間たったかたたないころ、千葉さんが「これは、96ページが足りないんじゃないですか? TMの中に、R:96ドンとありますよ」と言いに来た。ウーム、ちゃんとやってるんだ!96ページというのは「マトリックス作成ダミー」と言われるもので、マトリックスTM展開の際に基本となるもの。この1ページを追加配布して、さらに一時間後には早くも千葉さんが完成品を黒板に貼り出した。

他の人たちは地獄の特訓中。そのうち、一二名の人が「どうも、数字がうまくMX上に正確に出ない」というのがあって、調べてみると横罫が一本足りないために、数字が所定の場所に着地できない。分かれば簡単ですぐ直る。

MG第一期のデータを入れる

従来、この練習のときには、会計データは間に合わせに、私の会社の小口現金のところを20行ぐらい適当に使っていたが、この点も、千葉さんから「MG第一期のデータでやってみたい」と言われた。それは卓見だ。入力も簡単だし、トータルだし、全員が同じ結果で出る。素晴らしいアイデアだ。しかし、一点問題がある。MGには「在庫次繰り」の問題があって、材料・仕掛・製品が合計四個56円次繰りになる。これが、西研のシステムにはない。西研には、基本的に商品在庫がないからだ。どうすれば、原価VQの次繰り欄に「56」を出させ、その分を引いたものを売上原価欄に「77」と出させることが出来るだろうか?

それには、西研の勘定科目コードに「商品在庫」を加え、勘定コードからMXコードへの翻訳辞書(VファイルのDIC)に手を加えればよい。

大急ぎでこの手続きをやって、程なく千葉さんのMG第一期が完成し、私も追っかけ同じ作業をして完成した。三日目の午前10:32だった。

いずれ店舗MXへ?

後で聞くと、千葉さんは、私のMT/MXを「20回入れて、20回消した」という。この「20回・・・」というのは、ポケコン入力について言っている事で、まさかMT/MXについてまでそれをやったとは、思いも寄らなかった。道理で早いわけだし、MX会計がよく分かっているわけだ。それにしても、MG第一期のデータでやってみようというのは卓見だ。これなら誰でも知っている数字だし、正しいかどうかも一目で分かる。簡単であり、全社的でもある。他の人たちも一部を除きほとんど全員が6H内外で完成できた。千葉さんが「各店舗でMXをやりたい。そのためには、在庫の表現がどうしても必要だったので、今回それが解決してよかった!」と言った。

私は、千葉さんのおかげで、久しぶりにcreationがやれて、大きな爽快感を味わえた。愉快だった。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)